● 登記とは?
家を建てて、誰かが住み始めれば「表札」を玄関や門などの入口付近につけるものです。また、誰かが商売を始めて店や事務所を開けば目立つところに「看板」を立てたりもします。
しかし表札があるから、必ずしもその表札に名前が書かれてる人がその家の持ち主だとは限りません。例えば、実はその人はこの家を借りているだけで、正式な持ち主(所有権者)が他に居るのかもしれません。
それならば、この家の本当の持ち主は誰なのでしょうか?
それを確かめるにはどうしたらよいのでしょうか?
また、看板に掲げてある「株式会社○○」が、本当に実在する会社なのか?
貰った名刺に書いてある代表取締役の肩書きは本当なのか?
それを確かめるにはどうしたら良いのでしょうか?
そこで必要とされるのが「登記」という制度なのです。
例えば、土地や建物(=不動産)を購入したり、相続したときに「この不動産の現在の持ち主は私ですよ」と国の機関である法務局に届出をすること。それが「不動産の所有権に関する登記」手続です。
登記をしておけば、法律上も権利を主張することができます。いわば自分の権利に国からお墨付きをして貰うという事になります。
仮に売主AがBに不動産の売買契約をして、Aが引渡しをしないままCとも売買契約をした場合、どちらがその権利を主張する事ができるのでしょうか。
この場合は、先に登記手続を行った者Bが「この建物は自分のモノだ!」と、他者Cに対抗することができるのです。
また有限会社・株式会社などは、商業・法人登記という形で届出をする義務があり、また登記をしなければ会社としてのその存在を法律上認めてもらえません。
登記手続上、その会社の商号・本店所在地・代表取締役などの役員の氏名・資本金などを届ける必要があり、その情報は法務局にて登記事項証明書を取り寄せる事で、誰でも確認する事ができます。
そして、登記をしていない会社は、会社名義で不動産等を所有するための登記手続をすることも出来ないなどの不都合を生じる事となります。
このように、自らの権利を守り、公にするための制度が「登記」なのです。
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